WR250R インプレッション

2007年からYAMAHAにラインナップされ、もうすぐ10年になるWR250R。1年間、オンオフ含めて1.2万キロ走ってのインプレとなります。オフロードのR1とも言われるマシンですが、そこまでの性能を引き出せるテクを持っているわけでもなく...(^_^;)。オフロードに関しては初心者もいいところですが、インプレッションをまとめてみました。

第一印象は、その大きさに驚きました。過去、DR-Z400に乗っていた経験があったはずが、店頭で見させてもらったときに、コレ...乗れんのか??と思ったのが正直な感想。実家にWR250Rで立ち寄った際には、(これまでのバイクを全て見てきている)母親からしても「そんなにでかいバイク買ったの?」とコメントを貰ったので、ライダーでは無い一般の感覚でも大きく見えるようです。

走りに関しては、高回転域までスムーズに回るエンジンがとても気持ちいいです。これは過去に乗った経験のある、XRやDR-Z、ジェベル、セローとは全く違う感覚でした。オフ車とは言え、オンを走ることが結果的に多くなる訳ですから、オンでも楽しいことが重要だと思っています。そういった意味ではWR250Rの特性はそれにマッチして、オンでもとても楽しく走ることができます。一方、低回転域に関しては、感覚的な話になってしまいますが、僕がこれまで乗ってきたどのバイクよりも弱いと感じました。油断するとエンストします。WR250Rにしばらく乗った後、モンキーに乗ると、その低回転域の力強さに驚きますから...。また、ロングツーリング時などは、低速でもトップギアのままダラダラ走りたいものですが、WR250Rの場合、速度を落としたらギアも落とさないとエンストしてしまうため、ギアチェンジがやや忙しいです。加えて、1,2速はエンブレが強烈でドンつきみたいにガクガクします(^_^;)。このようにWR250Rは、得意な点と苦手な点がはっきりしたバイクだなというのが僕の感想です。

多くの人にとってネックになるのがシート高895mmなんじゃないでしょうか?日本人男性の平均身長は170cm位であり、(体重にも寄りますが)170cmでは爪先立ちになります(汗)。僕は175cm、62kgですが、ノーマル状態では両足を付こうとすると爪先立ちです(^_^;;)。腰をズラして片足が付けばバイクは乗れる!...なんて話をよく聞きますけども、不安定で危ないことに変わりはないので、バイクにおいて足つきは特に大事だと常々考えています。特にオフロードでは、足を付いて崩れたバランスを立て直したり、足を付きながらクリアしたりするケースもあるため、足つきが良いに越したことはありません。シート高については下げる手段がいくつかあるため、自分に合った方法を検討すればいいと思います。ただ、シート高が高いと眺めが非常によく、ツーリング時はとても気分が良いので、下げすぎも勿体無いと個人的には思いますが。

林道では足回りの良さからか分かりませんがサクサクと走れます。ただ足つきの悪さと車体の大きさ・重さもありますから、例えば、狭い坂になっていて、木の根や土・泥がメインのオフロードに持ち込むのは結構厳しく感じます。現に僕はこれで痛い目を見ています...(^_^;)。それに関しては追々紹介するとして...スーパーシェルパやSL230などサイズが小さく、より軽いマシンならもっと気軽に入っていけるだろうな...という場面も結構あるのが実際のところです。この辺りはもっとバイクを上手く扱えるようになれれば...と言ったところでしょうか。

燃費はすこぶる良いです。僕の個体は...の話ですが、ギャンギャン回しても30km/ℓ以下になったことは一度もありません。通常のツーリングで32km/ℓ、ロングツーリングでは35〜40km/ℓくらいであり、ガソリンタンクが7.6ℓと心もとないですが、ロングツーリングも何とかこなせます。これ以上を求める場合、カスタムパーツとしてビッグタンク等の選択肢もあります。

シートはお尻が痛くなります。なりますけど、何とかなります。実際に、WR250Rで北海道ツーリング4000kmをやれています。お尻の位置をずらしたり、ちょっとお尻を浮かせてみたりすれば大丈夫です。ゲルザブやワイドシートもありますしね。

積載に関しては、どのキャリアを取り付けるかで結構違ってくると思います。僕は普段乗りのときにも見栄えが悪くならないようなキャリアと、オフを走ることを考えて荷物の重心が高くならないように積みたいという考えから選んでいます。また、実体験でもあるんですが、リアキャリアはバイクがスタックした場合の持ち手としても重宝するので、頑丈に取り付けられるキャリアを選ぶことは重要だと思います。

WR250Rはカスタムパーツも豊富なのが嬉しいところです。大手どころのバイクショップに行くと、WR用のショーケース等もあったりするので、自分の好みにバイクを仕上げられます。この辺りは流石は人気車種というところでしょうか(^_^)。色々なパーツの選択肢があるので、WRが苦手とする部分をカスタムで補ってやることで、自分にとって乗りやすいバイクにできることは魅力だと思います。

WR250Rは、日本人には厳しいシート高や大きさのため、オフを中心に走る人は、より走破性が高く日本人の体格にあったセロー他を選ぶ場合も多いと聞きました。特にメインバイクを所有していて、セカンドバイクとして山遊び用にオフ車を増車する人は、この傾向が強いみたいです。ただ、1台しか所有できず、その1台で何もかも楽しみたい!という場合に、WR250Rは最適なバイクなのではないでしょうか?

これまで、アメリカン、モタード、ネイキッド、スーパースポーツ、そして今回オフロードと乗り継いできましたが、WR250Rは十分にお勧めできるバイクだと思います。